日本の教育現場でもChatGPTを利用した革新的な学習支援方法が次々と登場しています。
ChatGPTの進化は、教育現場へも影響を与えています。
教育の質を高め、学生の学習体験を豊かにするためのさまざまな取り組みが行われています。
その具体例と、教育へのAIの利点と課題についてご紹介します。
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ChatGPTの教育現場での活用例
- 創造的な活用: 函館市立万年橋小学校では、発表会でChatGPTを活用しました。
GPTを使って、クラスの話し合いで決めた劇や音楽の構成案を素早く提案してもらい、その後、クラスで起きた出来事と組み合わせることで、オリジナルの劇を作成しています。引用元 - 教育とテクノロジーの統合: 神山まるごと高専では、ChatGPTを利用して、最新の技術やサービスをビジネスアイデアに結び付ける教育を提供しています。
また、体育の授業では、ChatGPTと対話しながら健康になるための食事や栄養に関する行動を検討しています。 - 文部科学省のガイドライン: 文部科学省は、「生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン」を発出し、AIを教育現場で補完的に利用することを支持しています。
たとえば、英会話の練習相手としてChatGPTを利用することは、自分の解答の確認にAIを使用するため、問題ないとされています。 - 大学レベルでの活用: シェフィールド・ハラム大学では、学生がChatGPTを使って執筆したエッセーにおいて、プロンプト(指示文)を重要な評価要素としています。
使用を許可した教授は「プロンプト内で使うべき言葉を知り、そこから生み出されたものを理解することは重要です。私たちはその方法を教える必要があります」と発言しています。
これにより、ChatGPTを使った課題のプロセスと出力の両方が学習と評価の一部になっています。
慎重に向き合う大学の姿勢
仕様方法について慎重論もあって然るべき。
上智大学では、Chat GPTの使用に関して「成績評価における対応方針」として明確に使用を認めない、使用が確認された場合は厳格な対応を行う、としています。
京都大学では学長が入学式の式辞で自分自身の言葉で表現することの重要性を強調し、Chat GPTなどのAIツールで作成された論文には問題があることを指摘しています。
文章を書くことは精神力と思考力を鍛えるという価値観を重視しており、AIツールの使用には慎重な姿勢を示しています。
教育現場でのChat GPTの利用には懸念もある一方で、その教育への影響が肯定的な面と否定的な面の両方が存在するとされています。
京都大学でも、このため、上智大学ではChat GPTの使用を禁止するのではなく、その利用方法を適切に管理し、ガイドすることが重要だとしています。
ChatGPTの教育現場での利点と課題
利点:
- ChatGPTは、クリエイティブな活動やアイデアの生成を促進し、人に手では時間がかかるプロセスを簡素化し、人間は大元にある自分の表現したい事、探求したい事について考える時間を増やす事ができます。
- ChatGPTは、教育とテクノロジーの統合を促進し、学生に最新のビジネスアイデアや健康関連の情報を提供する新しい手段を提供します。
- ChatGPTは、教育者がより重要な教育活動に専念できるように、学生の質問に答えるなどのタスクをサポートします。
課題:
- ChatGPTの情報の正確性は常に保証されるわけではなく、誤情報を拡散するリスクがあります。
- 一部の教育機関では、ChatGPTを使った学生の創造性やオリジナリティの育成への懸念があります。
- ChatGPTの利用によって、学生の「考えるプロセス」が変化し、自身で情報を分析し統合するスキルが減退する可能性があると指摘されています。
ChatGPTは教育分野において多くの可能性を秘めていますが、その利用には注意と適切なガイドラインが必要です。
教育現場でのChatGPTの利用は、教育者、政策立案者、および学生自身による継続的な評価と振り返りが必要です。