グーグルは、6月Googleは、「Google for Japan 2024」にて、日本社会のさらなる発展に貢献するため、AIを活用した新たな取り組みを発表しました。
この取り組みの一環として、Googleは東京大学大学院の松尾豊教授らの研究室とパートナーシップを結び、地方の課題解決に特化した生成AIモデルの開発に乗り出しました。
少子高齢化や労働人口減少など、地方が直面する問題に対して、AIの力を活用しようというわけです。
各都道府県の課題を生成AIで
自治体向けの事業として、47都道府県のそれぞれの地域課題に特化したAIモデルを開発し、2027年までに導入を目指すとしています。
先行事例:大阪府 雇用のミスマッチ解消
大阪府はGoogleと連携し、生成AIを活用して雇用のミスマッチを解消する具体的な方法を導入しています。この取り組みでは、以下のような具体的な方法が採用されています。
- 適性診断の高度化:
生成AIを用いて求職者の適性をより正確に診断し、その人が気づいていない適性のある職種を提案することができます。これにより、求職者は自身の潜在能力を活かせる仕事を見つけやすくなります。 - キャリアパスの提案:
求職者が希望する仕事に就くための段階的なキャリアパスをAIが提案します。これにより、長期的な視点でのキャリア形成が可能になります。 - 企業とのマッチング精度向上:
AIが求職者の適性と企業のニーズを分析し、より適切なマッチングを行います。これにより、雇用のミスマッチが減少し、就職後の離職率低減にもつながることが期待されます。 - 中小企業の採用支援:
採用や広報の専門人材確保が難しい中小企業向けに、AIが採用マーケティングに活用できる素材を生成します。これにより、中小企業の人材確保が容易になります。 - 多様な人材の採用支援:
企業がこれまで活躍してきた人材の特性をAIが分析し、面接の印象だけに頼らない多様な人材の採用を支援します。
これらのサービスは、大阪府の総合就業支援拠点「OSAKAしごとフィールド」などで2024年度中に提供開始される予定です。Googleと自治体が連携してこのような取り組みを行うのは全国で初めてのケースであり、その成果が注目されています。
Googleと東京大学大学院の松尾豊教授らの研究室とパートナーシップ
上記を推進するにあたり、GoogleはGoogleと東京大学大学院の松尾豊教授の研究室は、日本の地方が抱える課題をAIで解決するためのパートナーシップを結びました。
そのねらい
- 地方課題への焦点:
少子高齢化や労働人口減少など、日本の地方が直面する特有の問題に対して、AIを活用した解決策を探ります - 人材の活用:
松尾研究室で学んだAI人材を活用し、地方の課題解決に特化した生成AIモデルを開発します - 段階的な展開:
まず広島県と大阪府でプロジェクトを開始し、その後全国に展開する計画です。大阪府では特に雇用のミスマッチ解消に焦点を当てています。 - 長期的な目標:
2027年までに47都道府県それぞれで、地域の特性に合わせた課題解決モデルを構築することを目指しています。 - 研究と実践の融合:
松尾研究室の強みである最新のAI研究と、Googleの技術力および実装経験を組み合わせることで、理論と実践の両面からアプローチします。
このパートナーシップは、日本のAI研究をリードする松尾研究室の専門知識と、Googleのグローバルな技術力を組み合わせることで、地方の課題に対する革新的な解決策を生み出すことが期待されています。また、この取り組みは日本のAI人材育成にも貢献し、地方でのAI活用を促進する重要な一歩となるでしょう。