沖縄県の地銀・金融機関で初の生成AIによるテレビCM放映開始

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2023年11月14日、沖縄県の地方銀行、沖縄海邦銀行(那覇市、新城一史頭取)は生成AIを活用したテレビCMの放映を開始しました。生成AIを活用した金融機関の企業CMは、全国で初めてです。
ストーリー、動画、ナレーション、いずれも生成AIにより制作されています。現在、同社の公式ホームページ、YouTubeでも視聴可能です。

沖縄海邦銀行公式ホームページ


CMは3種類のテーマで制作されています
①近未来編「沖縄の未来」
②SDGs編「海と緑とともに」
③多様性編「カイホーしてる?」

それぞれ15秒、または30秒で、沖縄の景色と近未来的景色の融合、沖縄らしいガジュマルやサンゴ礁、沖縄の妖精きじむなー等が、立体的アニメーションで表現される等、沖縄の素材とAIのかけ合わせが感じられる映像となっています。

公式ホームページでは、同社のこれまでのTVCMも視聴できます。

今回制作された生成AIを活用したCMと、これまでのCMを並べてみると、新たな表現手法を取った事で、一見、同じ会社のCMだとわからないほど印象が全く異なっています。

仮に、保守的な会社で革新的なブランディング等に映像を用いることになったとします。
知見がない場合、どんなストーリー、出演者、音声がよいのか、そもそも判断が難しく、代理店に依頼するにしてもアウトプットも同様で、膨大な時間がかかる事が想像されます。
また最終的にテイスト等は、人の判断で「わが社らしさ」に沿って革新的なものにはほど遠いものになってしまう可能性も。

そこに生成AIを活用することで、映像は、良い意味で大幅に期待を裏切り「わが社らしさ」を全く違う映像で表現し、また生成AIを活用するというプロジェクトである事により、良し悪しの判断はAIに委ね、評価の議論等に多くの時間をかけずに完成させられる事も想定されます。
効率が圧倒的によい事は明白です。

尚、海邦銀行ホームページでは、このCMを新たな取り組みとしてプレスリリースを発信し、生成AIを利用した経緯についても説明しています。金融機関でのAI活用を検討するなか、社名のローマ字表記中にAIが含まれる事から、K”AI”HO PROJECTと命名し、AI活用によるCM制作に至ったといいます。

またこの取り組みは海邦銀行のDXの一環でもあり、生成AIによるCM制作のプロジェクトの経験を踏まえ、取引先である沖縄県の中小企業にもAIの活用による生産性向上、効率化等を支援したいと発信しています。
生成AIの活用が、首都圏や特定の業種のみならず、地域、業種としても広がる事によって、地方ならではのAIの活用術、AIを活用して表現される個性等、活用方法の多様化にも期待大です。

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