4月に、OpenAI(オープランエーアイ)のアジア発拠点として東京でのオフィス開設が発表され、その後、Open AI公式ブログに桜を彷彿とさせるピンクを背景に日本語に最適化したChatGPT4のリリースが発表されました。
OpenAIの拠点は、これまでカリフォルニア州サンフランシスコ、ロンドン、ダブリンの3拠点でしたが、今回で4拠点目となり、アジア発新出となります。
OpenAIの東京進出の背景
今回の公式ブログの発表では、公式ブログ上にも「日本語は英語の下に続きます」と日本語で表記されています。
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ChatGPT公式ブログではなぜ日本なのか、という点については「東京が技術、サービスの文化、そしてイノベーションを受け入れるコミュニティであると認識しているため」というニュアンス。
また既に日本の特有のニーズに応じた安全なAIツールの開発を目指し、政府や地元企業、研究機関との協力にも注力している事が述べられています。
具体的に、既にダイキン、楽天、ダイキン、楽天、トヨタコネクテッドなどの日本の主要企業に導入され、ChatGPTエンタープライズを利用して複雑なビジネスプロセスの自動化、データ分析の支援、社内報告の最適化を図っている事、東京都、横須賀市、神戸等のと地方自治体と連携しChatGPT使用に関する事例を共有していると伝えています。
地方の過疎化と労働力不足への解決にAIがどのように役立つかを探求する事を楽しみにしている、とも。
ブログでは日本の課題への取り組みについても言及しています。
2040年に高齢者の人口がピークに達するといわれ、高齢化社会の進むばかりの日本の課題解決にAIが貢献する事は明るい未来につながる要素として期待できます。
OpenAIの拠点:サンフランシスコ・ロンドンの次にアイルランド(ダブリン)
OpenAIの拠点の一つにダブリン。ダブリンを拠点に選んだ点も興味深いところです。
アイルランドでは政府が積極的なグローバルテクノロジー企業の誘致に取り組んでおり、税制の効率性等、テック企業にとっては魅力的な地域となっています。
尚、税制についてアイルランドは、多国籍企業がグローバルな税負担を最適化するために欧州連合で最も低い法人税率を提供しているなどの施策を行っています。
結果、ダブリンではOpenAIを中心として多国籍なテック企業が多く集まり、ダブリンでのAIエコシステムが構築されています。
またOpenAIとダブリン市は、AIを利用し観光の訪問者の体験の向上を目指し提携しており、ダブリンがただ単に企業オフィスのホストに留まらず、市と国の技術的および経済的目標を支援する活動的な参加者としての役割を担っている点も興味深いものです。
東京、及び日本でも同様に広く波及効果が生れる事が期待されます。
日本語に特化したChatGPT4
多くのAIツールは、英語での指示の方がよい出力となる傾向があり、ChatGPTについても同様の事がいわれていますが、今回、日本語に特化するというのも期待大です。具体例が公式ブログで紹介されています。
視覚的にも明らかなとおり、日本語のテキストの翻訳と要約のパフォーマンス、およびコスト効率を向上させ、前モデルと比較して、最大3倍高速に動作するというものです。
こちらのリリースは数カ月以内との事。
日本語に最適化されたChatGPTの期待されるメリット
- 言語理解と生成の向上
ChatGPT-4は複雑な言語タスクを扱う能力が向上しており、これが日本語にも拡張されています。これにより、コンテンツ作成、カスタマーサポート、その他の言語理解を要するアプリケーションで、より正確で文脈に適した応答が可能になります。 - ローカルニーズへのカスタマイズ
日本語に最適化されたChatGPT-4は、日本市場の特定のニーズや文化的ニュアンスに合わせてより適切に調整できます。これには、慣用表現や俗語など、自然で効果的なコミュニケーションに不可欠な言語の特性を理解することが含まれます。 - ビジネスアプリケーションの強化
従来のChatGPT4でも文書の要約や質問への回答は可能でしたが、一般論になりがち、具体性が薄い傾向がありますが、ン日本語最適化されることにより自動カスタマーサポート、文書分析、さらには言語の深い理解を要する法律や医療の問い合わせなどの業務を大幅に改善につながることが期待されます。 - 教育および研究用途での活用
日本に特化したテーマでの議論等について、従来よりも具体性、情報の広がりが期待できます - 包括性
結果より従来よりより多くのユーザーが活用できる場面が増えていく事につながります
まとめ
今注目を集めているOpenAIの動画生成AI、Soraが日本語の空に由来していたこと等は偶然ではなかった事でしょう。
日本語に今まで以上に得意になるChatGPTによって、プロンプトの入力が日本語でも英語でのプロンプトと遜色ないものになることは、日本でのCChatGPT活用の幅とユーザーの広がりが期待できます。
それにより、日本ならではの動画や画像とである日も間近だと考えられます。
ビジネスやアカデミックな場面のみならず、潜在的な能力を発揮し、新たなAIクリエイターが生れる、という事も十分にあり得、AIの進化と共に夢のある世界が展開されていきます。
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