【用語解説】プロンプトエンジニアリングとは?

ChatGPTで悩んでいる方必見! プロンプトエンジニアリングでAIとのコミュニケーションを改善。効率的な情報収集や作業の自動化を実現します。 AI_用語辞典
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AI(人工知能)の進化に伴い、私たちはAIと直接やり取りする機会が増えています。
身近なところでいい言うと、Googleの「Google アシスタント」、Appleの「Siri」、Amazonの「Alexa」などの音声AIアシスタントがありますね。

近年では、ChatGPTのような自然言語処理(NLP)を用いたAIは、質問に答えたり、会話をしたりと多彩な機能を持っています。

しかし、AIとの対話がスムーズに進まないこともありますよね。
その解決策の一つが「プロンプトエンジニアリング」です。

簡単に言うと、プロンプトエンジニアリングとは、AIに指示を与える「プロンプト」(入力内容)を工夫して、AIがより良い回答を出せるように調整する技術のことです。その技術者をプロンプトエンジニアといいます。
AIに正確で役立つ情報を提供してもらうには、どのように質問するかが非常に重要です。

例えば、単に「気温を教えて」とAIに尋ねるのと、「今の東京の気温を教えて」と尋ねるのでは、返ってくる答えが異なります。
プロンプトエンジニアリングでは、こうした「どのように質問するか」を最適化していきます。
 

なぜプロンプトエンジニアリングが重要なのか?

AIは非常に強力なツールですが、万能ではありません。
AIは与えられた情報に基づいて答えを出すため、曖昧な質問や不十分な情報だと、正確な回答が得られないことがあります。

プロンプトエンジニアリングを活用することで、次のようなメリットがあります。

  • 精度の向上:AIがより具体的で有用な情報を提供してくれるようになります。

  • 効率化:余計なやり取りを減らし、短時間で必要な情報を得られます。

  • 柔軟性:異なるシナリオに応じて、AIから最適な回答を得るためにプロンプトを調整できます。
     

プロンプトエンジニアリングの基本的なステップ

  1. 明確な目標を設定する
    まず、何を知りたいのか、どんな情報を得たいのかをはっきりさせます。曖昧な質問では、曖昧な答えしか返ってきません。
     
  2. 具体的なプロンプトを作る
    AIに投げかける質問はできるだけ具体的にします。たとえば、日付、場所、対象などを明示することが効果的です。
     
  3. フィードバックを受け取る
    AIから返ってきた回答を確認し、必要に応じてプロンプトを再調整します。回答が不十分であれば、質問を修正して再度試します。
     
  4. 繰り返し改善する
    より良い結果を得るために、プロンプトを試行錯誤しながら微調整を繰り返します。これにより、AIの性能を最大限に引き出すことができます。
     

プロンプトエンジニアリングの実例

例1: AIを使ってレシピを探す場合

  • 単純なプロンプト: 「ケーキの作り方を教えて」
    → 返答: 「ケーキにはいろいろな種類があります。チョコレートケーキ、フルーツケーキ、チーズケーキなど…」

  • 最適化したプロンプト: 「卵とバターなしで作れるチョコレートケーキの簡単なレシピを教えて」
    → 返答: 「卵とバターなしで作れるチョコレートケーキのレシピは…」
     

例2: 旅行のアドバイスを求める場合

  • 単純なプロンプト: 「旅行に行きたい」
    → 返答: 「どのような場所をお探しですか?」

  • 最適化したプロンプト: 「12月に一人で行ける、雪が降っていて温泉がある日本の旅行先を教えて」
    → 返答: 「12月に雪が降る温泉地としておすすめなのは、…」
     

プロンプトエンジニアリングの未来

今後、AI技術がさらに進化していく中で、プロンプトエンジニアリングはますます重要なスキルになっていくでしょう。

これにより、AIをより効果的に活用できるだけでなく、仕事や日常生活でも大きな価値を発揮します。
プロンプト例などを参考に、誰でも簡単に学べるスキルなので、ぜひ挑戦してみてください。
 

プロンプトエンジニアリングに役立つスキル

プロンプトエンジニアリングになるためには、特に資格があるわけではありませんが、以下のような勉強をすることをお勧めします。

資格
 ・G検定(日本最大のAI検定)
 ・E資格(日本唯一の機械学習検定)
 ・Python3エンジニア認定基礎試験(Pythonの入門者向けの資格)
 ・Python3エンジニア認定データ分析試験(Pythonの中級者向けの資格)

能力
 ・創造力
 ・論理的思考力
 ・問題解決スキル

基本的なプロンプト技法

Zero-shot Prompting
Zero-shot promptingとは、AIモデルに事前に例を与えずに、ただ質問や命令をする手法です。
この技法は、モデルが持つ既存の知識を最大限に活用してタスクを遂行させることを目的としています。
例えば、特定の事柄を説明させたり、質問に対する回答を生成する場合、前提となる知識が豊富であれば、最適な結果が得られることがあります。

プロンプト例
質問: 「2023年に最も人気のあった映画は何ですか?」
回答: 「2023年に最も人気のあった映画は『Oppenheimer』です。」

Few-shot Prompting
Few-shot promptingは、数少ない例をプロンプトとして提供し、モデルがその例に基づいてタスクを実行する手法です。
Zero-shotに比べて、特定のタスクや形式に慣れていない場合に役立ちます。
数例を提示することで、モデルがパターンを理解し、より正確な出力を行うことができます。

プロンプト例
質問: 「次の例を基に新しい例を作成してください。
例1:りんごは赤い。
例2:バナナは黄色い。」

回答: 「空は青い。オレンジはオレンジ色です。」

思考を強化するプロンプト技法

Chain-of-Thought Prompting (CoT)
Chain-of-Thought (CoT) promptingは、問題を解決する過程をステップごとに分解し、AIモデルが各ステップを論理的に進めるよう促す技法です。
これにより、複雑な推論や段階的な思考が必要なタスクにおいて、より正確な結果を得ることができます。

プロンプト例
質問: 「次の数学問題を解いてください:12 + 15 ÷ 3。計算の順序を考え、各ステップの答えも示してください。」
回答: 「まず、除算を優先して計算します。
15 ÷ 3 = 5 次に、足し算を行います。
12 + 5 = 17 よって、答えは17です。」


Zero-shot CoT
Zero-shot CoTは、通常のZero-shot promptingに、思考過程を明示的に含める指示を加える手法です。
これにより、例を提示しなくてもモデルが自発的に問題を解決するプロセスを考慮するようになります。

プロンプト例
質問: 「次の問題を解いてください:山田さんは3つのリンゴを持っていて、さらに5つのリンゴをもらいました。彼は全部で何個のリンゴを持っていますか?」
回答: 「山田さんは3つのリンゴを持っていて、さらに5つのリンゴをもらいました。これを足し算で表すと、3+5=8 よって、山田さんは全部で8個のリンゴを持っています。」


Self-Consistency
Self-consistencyは、複数の応答を生成し、その中で最も一貫性のある解答を選び出す手法です。
これにより、モデルが特定の問いに対して一貫した論理を用いて答えを出す可能性を高めます。

プロンプト例
質問: 「2つのレストランAとBがあります。Aの評価は5つ星、Bの評価は3つ星です。どちらを選びますか?」
回答: 「Aの評価が高いので、Aを選びます。評価が高いということは、多くの顧客に満足してもらっている証拠です。」
回答: 「Bの評価は低いですが、もしかしたらAよりも美味しい料理を出しているかもしれません。口コミを詳しく調べてから決めます。」
回答: 「AとBの料理の種類が全く異なる場合、単純に評価だけで決めることはできません。それぞれのメニューを見てから選びます。」


Generate Knowledge Prompting
Generate knowledge promptingは、AIに特定の知識を生成させ、その知識を基に問題を解決する手法です。
新しい情報を生成し、その情報を次のステップに活用するため、より深い洞察が必要なタスクに有効です。

プロンプト例
質問: 「人類が火星に移住するために必要な技術は何ですか?」
回答: 「火星に移住するためには、まず大気の生成技術、酸素供給システム、食料生産技術、放射線防護技術が必要です。これらは地球上ではまだ十分に発展していないが、進展が期待されています。」


ReAct
ReActは、「推論と行動」を組み合わせたプロンプト手法で、AIが対話型で問題解決を進める際に使用します。
モデルが思考と行動を繰り返し、ユーザーからのフィードバックに基づいて解決策を調整します。

プロンプト例
質問: 「部屋が散らかっています。どうすれば片付けられますか?」
回答: 「まず、不要なものを捨てることから始めます。その後、残りのものをカテゴリーごとに分けて整理します。最後に掃除機をかけ、部屋を清潔に保ちます。」

プロンプトに対するセキュリティおよび脅威

  • プロンプトインジェクション
    プロンプトインジェクションとは、AIシステムに意図的に悪意のあるプロンプトを入力し、その行動や応答を制御する攻撃手法です。
    これにより、システムが不正な動作をする可能性があるため、セキュリティ上の大きなリスクとなります。
  • プロンプトリーク(Prompt-Leaking)
    プロンプトリークは、AIが内部情報やプライベートなデータを誤って外部に公開してしまうリスクを指します。
    モデルがトレーニングデータから意図せずに機密情報を出力してしまう状況を防ぐための対策が求められます。
  • ジェイルブレイク(Jailbreak)
    ジェイルブレイクとは、通常のプロンプト制約を回避し、AIシステムに本来禁止されている行動を取らせる技法です。
    これにより、モデルが不適切な応答を生成するリスクが生じます。
     

まとめ

プロンプトエンジニアリングとは、AIとの対話をよりスムーズにし、AIの能力を最大限に引き出すための重要な「プロンプト」を工夫し、AIからより正確で有用な回答を引き出す技術です。

AI技術の進化に伴い、プロンプトエンジニアリングはますます重要になります。

このスキルを習得することで、仕事や日常生活でAIを効果的に活用できるようになるでしょう。

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この記事を書いた人
星野クォンタ

星野クォンタです😊AIとDXの深層にハマってるおしゃべり好きなAIオタクです🚀🔍

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