楽天グループは11月14にAIプラットフォーム「Rakuten AI for Business」を発表。提供開始を2024年以降としました。
Rakuten AI for Businessでは最先端のAIで、ユーザーの課題解決を行うことを目的としています。
例えば業務改善や顧客との関係性の強化といった企業活動を総合的に支援できるとのこと。
今回はこちらの内容について触れていきます。
Rakuten AI for Businessとは
Rakutenが主導し、ChatGPTの開発元であるOpenAIと協力ので、国内外の消費者や企業に向けた新たなAIソリューションです。
つまり「楽天が企業向けの問題解決AIをChatGPTの開発元と作っている」というビッグニュースです。
このサービスは、データ分析支援の「Rakuten AI Analyst」、消費者サービス向上の「Rakuten AI Agent」、情報提供の高速化を実現する「Rakuten AI Librarian」といった機能を備えており、総合的な支援を目的としているようです。
楽天のCDO (Chief Data Officer)のティン・ツァイは、次のようにコメントしています。「『Rakuten AI for Business』に対して私たちは、AI技術を通じて人類の可能性を拡張し企業の生産性を高め、これまでよりもさらに便利で快適な社会を実現するというビジョンを掲げています。生成AI技術の先駆者であるOpenAIとの協業を通じて、最先端のイノベーションをもたらす可能性があることを期待しています。」 -引用元-
当然、スマートフォンやタブレットからでもアクセス可能としており、ユーザーの要望に沿った開発をしていることを示唆しています。
一点この内容の懸念を考えるとするのであれば、Rakuten AIに膨大なデータを持たせることにより情報漏洩のリスクはどうなるのかといったところです。
Rakuten Optimism 2023
実は以前から楽天グループとOpenAIの協力に関する情報はありました。
楽天グループは「Rakuten Optimism 2023」というビジネスカンファレンスでOpenAIとの協業について語っており、三木谷浩史氏によるオープニングでは、生成AIの登場がインターネットやスマートフォンの出現以来の大きなパラダイムシフトであると強調されています。
この協業により、楽天は対話型AI技術を用いて新たな顧客体験の創造に挑むと発表しています。
楽天グループとOpenAIの協業の中核には、データ分析や業務の自動化、最適化の狙いがあるとされており、事業の大きい楽天グループの課題解決であるとともに新たなプラットフォーム確立に寄与するということでしょう。
OpenAIのサム・アルトマン氏は「この協業が楽天のデータリッチなビジネスモデルにAI技術を融合させることで、さらなる事業発展を促進する」とコメントしています。
また、楽天技術研究所は「人間の創造性をAIの力で補強すること」を目指しており、AIモデルの安全性や費用対効果などの課題にも取り組んでいます。
楽天グループは、AI技術をオペレーション、マーケティング、ビジネスプロセスの自動化など、企業経営のすべてのファンクションに適用する計画です。
これらの情報は、楽天グループがOpenAIとの協業を通じて、AI技術をビジネスモデルの中核に据え、新たな価値創造を目指していることを示しています。
楽天モバイルなどの事業で苦戦をしている一方で、楽天銀行の上場や、今回の発表で楽天のビジネスは大きく動く可能性があります。
国内第最企業の一つとして大注目です。
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Rakuten Optimism 2024
2024年8月1日(木)から4日(日)東京ビッグサイト(東京国際展示場)にて、5回目となる「Rakuten Optimism(楽天オプティミズム)」が開催されました。
楽天が目指す「AIの民主化」三つのステップ
当時、14.4kbpsという低速の通信環境から、現在では無線でも1Gbps、場合によっては10Gbpsにまで速度が向上しており、この技術の進化とともにAIが大きなインテリジェンスを生み出しています。楽天はこの進化の中で「AIの民主化」を掲げ、誰もがAIを活用できる社会を目指しています。
データによるAI技術基盤の拡大
楽天グループが保有する膨大なデータを活用し、AI技術の基盤を強化します。楽天のエコシステムに蓄積されたデータや楽天モバイルのユーザーデータを組み合わせ、より高度なAIモデルの開発を推進することで、AIをより身近なものとする基盤を整えているようです。
社内でのAI徹底活用
楽天グループ内でAI技術を徹底的に活用し、業務効率化を図る方向で、具体的には「トリプル20」というプログラムを展開しており、社内のマーケティングやオペレーション効率を20%向上させる取り組みを進行中。この成果を基に、他社にも応用可能なモデルケースを作成し、AI活用を加速していこうという方針のようです。
Rakuten AIの社外オープン化
社外へのAI技術のオープン化を進めます。これにより、楽天グループの取引先や顧客にもAIの恩恵を提供し、特に楽天市場の出店者におけるオペレーション効率を向上させることを目指しているようで、楽天が持つリッチなデータとAI技術を組み合わせ、パーソナライゼーションやコンシェルジュサービスなど、AIがビジネスの根本的な変革をもたらすと期待できます。