既に、弊サイト内で無料の動画生成AI、Runway Gen2についてRunway Gen2 無料で使ってみた:写真付き解説【登録方法】にて操作方法とできる事についてご紹介致しました。今回は、実践編として架空の商品の企画、CMディレクション、制作までを行います。
制作の手順
作業内容とツールはそれぞれ下記の通りです。
- AIでのAM企画 商品の企画、CMシナリオ作成、動画制作のプロンプト作り:ChatGPT4
- 動画生成AIの活用 複数コマの動画作成:Runway Gen2 無料版
- 最後の仕上げ 動画つなぎ合わせ:Adobe After Effect
生成AIでのCM企画
商品の企画、CMシナリオ作成、動画制作のプロンプト作り(ChatGPT4)
まずは商品の企画をChatGPTに依頼します。
対象をいくつか想定し、会話調のプロンプトでアイデアの壁打ちを行います。
今回の目的はGen2を活用した広告作成と、Gen2自体と仲良くなることなのでできるだけAIでの動画作成がイメージしやすい商品を対象とします。
飲み物、食べ物のCMとなると飲む、食べるという動作を伴うので、難易度が高くなることが想像され、身体的な動きが少なく、情景が主体となるような商品を対象とすることにします。
ChatGPTと議論した結果、CM制作については「新しいスマートフォン・商品名"EcoSmart Pro"」にします。
商品名、商品概要、特徴、ターゲット市場、マーケティング戦略等はすべてChatGPTに策定させます。それらに加え、下記の様な工程もChatGPTに任せました。
- 複数のコンセプト提案
- 上記から選択したCMの台本作成
- CMのシーンの設定(今回は結果5シーン)
- 各シーンのカメラの種類、撮影アングル、ロケーションの設定
- 動画生成AIへの指示出し用のプロンプト作成
- 上記プロンプトの翻訳
書き出すと大変あっさりしていますが、これをプロジェクトとして実施しようとするとどれだけの工数、時間がかかるのか、想像するだけで辟易します。なお、この作業自体はChatGPT4である必要はなく、ChatGPT3でもスムーズに行えます。
動画生成AIの活用
5コマの動画作成( Runway Gen2 無料版)
遂にGen2に流し込む作業となります。
ChatGPTで作った各シーンのプロンプトを1話ずつ流し込んでいきます。
こちらは、ChatGPTが作成したプロンプトの通りに入力した際に生成された動画のスクリーンショットです。思い描いていたものとは少々異なった出力となりました。
想定していたシーンは下記です。
Gen2のプロンプトの入力は英語ですが、翻訳すると下記です。
「カフェのテラスで、持続可能なスマートフォンを調べている若い女性のクローズアップ写真です。周りには自然な家具や植物があり、自然光の中で、手持ちカメラで撮影されており、肩越しのアングルです。」
同じプロンプトでも、複数回入力してみると映像に少し違いが出ます。生成された画像がお気に召さない場合は、プロンプトに修正を加え、再度生成を試みます。モデルの位置や、各シーンで中心に据えたいもの、背景の天気等、次の展開にかかわる必要な条件は先に細やかにプロンプトに組み込む事が必要です。
この作業を、シーン別に5回。「Generate」を押すと成果物が想像通りになるのかわくわくする時間となっていました。
最後の仕上げ
動画つなぎ合わせ(Adobe After Effect)
5つのシーンをつなぎ合わせます。
ここまでの工程はプロンプトの調整を除き、ほぼAI頼みでしたが、最後の仕上げとして人の手でひと手間加えます。各シーンにメリハリをつける為、ChatGPT に作成させたテキストをテロップとして挿入、アニメーションを追加しました。
Gen2で作成できる動画の尺は16秒といわれておりますが、今回はGen2で基本的となる4秒毎の動画を別のツールでつなぎました。
有料プラン等ではその限りではございませんが、AIに関する各種サービスの進化の速さ故、最新の情報は別途確認をお勧めします。
ChatGPTと動画生成AI Runway Gen2での試作!完成版はこちらです
この作品のCMとしての精度向上は今後の課題とし、難しいと考えていた動画でのCM作成は、開始から終了までおおよそ3時間程度となりました。制作者のChatGPT熟練度は、初中級です。
実際のCM制作となれば3時間でできる事は、CM制作の工程のごく一部となる事でしょう。
今回のチャレンジで改めてChatGPTと動画生成AIの掛け合わせによる効率の良さ鮮明に感じとりました。
同時にやはりAIはあくまでも手段で最終的に動画全体を引き締める要素、機微の調整は人の手によるものとなり、制作者としてAIを使いこなし、制作の幅を広げていくことに無限の可能性を感じるところとなりました。
また今回の経験を通じて、より効率のよいプロンプトの作り方にヒントが見えてきたため、引き続きトライ&エラーを繰り返しよりよきアウトプットを目指します。
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