近年、AI技術は急速に進化し、様々な分野で利用されています。
その中でも特に注目されているのが「動画生成AI」です。
この技術を使えば、AIが自動的に動画を作成し、手間をかけずに高品質なコンテンツを生成することが可能になります。
本記事では、中国企業Kuaishouが提供する「KLING AI」に焦点を当て、機械学習の観点からその仕組みや特徴を解説します。
KLING AIとは何?
「KLING AI」は、中国の企業である快手が提供する動画共有プラットフォーム「Kuaishou」によって提供されているAIベースの動画生成サービスです。
以前までは、サービスを利用するのに中国国内の電話番号が必要でしたが、2024年7月24日よりメールアドレスのみで登録が可能になりました。現在では誰でも利用することが出来ます。
KLING AIの概要
KLING AIは、テキストや画像から簡単に動画を生成することができ、他の動画生成AIと比べて精度の高い結果を提供できると評価されています。
また、サーバーが強力で、動画の生成時間が非常に短いのが特徴となっております。
例えば、ユーザーが指定したテーマに基づいて、AIが自動的に映像や音楽を選び、それらを組み合わせて一つの動画として仕上げます。
このプロセスは非常に短時間で行われ、従来の動画制作に比べて大幅な時間とコストの削減が可能です。
さらに、画像を3Dモデルに変換する技術も優れているため、リアルな動きを再現することが可能となっています。
KLING AIの使い方
使い方は簡単で、公式ページからアクセスし、メールアドレス・好きなパスワードを登録するだけで始められます。
無事登録が完了すると、無料で利用出来るクレジットが付与されます。
左のナビゲーションより、【AI Images】【AI Videos】からアクションを選択できます。
【AI Images】はテキストから画像を生成する機能となっています。
【AI Videos】では2種類、テキストから動画の生成と画像からの動画の生成を選択することができます。
KLING AI の評価されている点
- 高解像度
1080pの高解像度でのレンダリング
- 物理シミュレーション
リアルな物理法則に則ったシミュレーションを搭載しているため、現実世界の物理法則に従った映像表現を実現することができている。
- 3Dフェイス/ボディ再構築
一枚の全身写真から完全な表情と四肢の動きを制御します。
- ネガティブプロンプトの指定
否定的な要素を指定することでより良い結果を得る可能性を高めることができる
他の動画生成AIとの比較
KLING AIを他の動画生成AIと比較すると、いくつかの顕著な違いが見られます。
- ユーザーインターフェース
KLING AIは、一般ユーザー向けに設計されており、シンプルなインターフェースを持っています。これにより、技術的な知識がなくても、簡単に動画を生成することができます。
対して、他の高度な動画生成AIは、プロフェッショナル向けにより詳細な設定やカスタマイズが可能な場合があります。
- 動画生成のスピード
KLING AIは、短時間で動画を生成することが得意です。
一方で、プロフェッショナル向けの動画生成AIは、より細かな調整や高度なエフェクトが可能ですが、その分時間がかかることがあります。
- コストパフォーマンス
KLING AIは、一般消費者向けの価格設定がされており、手軽に利用できます。これに対して、プロ仕様のAIは高コストであることが多いです。
さいごに
KLING AIはAI技術を活用した新しい動画生成の形を提案しており、手軽さとスピードが特徴です。
無料で楽しめる範囲も十分確保されており、商用利用には制限があるものの、試してみる価値は十分にあります。
また、公式サイトは英語や中国語のみの対応ですが、ブラウザの翻訳機能を使えば日本語で利用することも可能です。今後、さらに多くの機能が追加されることが期待されます。
動画生成においては品質・動きの自然さ・プロンプトの再現度が重要視されると思います。著者の触ってみた感想では、プロンプトの忠実さといったところは評価できると思いますが、まだ動画の品質や動きの自然さといったところは【Runway】に優位性があるように感じています。
今後のアップデートが大きく注目される生成AIであることは間違いなしです。