【12 Days of OpenAI】OpenAI新技術発表1~6→
第七弾:Projects in ChatGPTで複数チャットをグループ化
OpenAIがイベント「12 Days of OpenAI」の中で発表した新機能「Projects in ChatGPT」は、ユーザーの作業管理をより効率的にするための機能として開発。
チャットボックス内のフォルダシステムとして実装され、プロジェクトに関連する資料やチャットログを一覧で管理できるようになりました。
ChatGPT Projectsとは何か?
Projectsは、何かのテーマや作業に関連する資料をまとめて保管し、機能の補助を受けながら情報を検索したり、チャットを促進することが可能です。サイドバーにずらーっと作成順に並んでいたチャットを、フォルダごとに管理できるのが特徴です。
「+」ボタン→Projectsにタイトル名(フォルダ名)を設定
「📂」クリックでアイコンの色をカスタマイズ
Project filesで文書、PDF、画像、コードなど、さまざまなドキュメントのアップロード
実際にできること
- マーケティングプロジェクト
マーケティングチームが対象とする商品の情報を画像やPDFの形式で書き出し、プロジェクトフォルダに置きます。
チャットの中で、いつでもそれらの資料を参照しながらアイデアを議論することが可能です。 - ドキュメント検証
チャット内でコードをシェアし、デバッグ用の試し書きを行うことも簡単になります。
これにより、プロジェクトの進行中における何度もの検証がより効率的になります。
プロジェクト内の会話では、次の機能がサポートされています。
- Canvas(キャンバス)
- Advanced Data Analysis(データ分析)
- DALL·E(画像生成)
- Search(検索)
現在、Google Drive または Microsoft OneDrive からファイルを追加するためのコネクタはサポートされていません。
プロジェクト名の横にあるドットを選択し、「プロジェクトの削除」を選択すると、プロジェクトを削除できます。これにより、プロジェクト内のファイル、会話、カスタム指示が削除されます。削除されると、復元することはできません。
実際の役立て方
- 業務仿作のストリーミング組織
ストリーミングの製作過程で、画像や資料をプロジェクトに分類し、別のチャットとの連成などをスムーズに行えます。 - 研究データの分析
研究者は、データ集をProjectsに登録し、それを参考にしてチャット内での議論を深めることが可能です。プロジェクト機能の用途は実に大規模です。
第八弾:ChatGPT Searchの無料公開と新機能
ChatGPT Searchとは?
従来の検索エンジンがキーワードを基に関連するウェブページをリストアップするのに対し、ChatGPT SearchはAIの自然言語処理能力を活用して、より深い理解と精度の高い回答を提供します。
関連記事:AI検索サービス「ChatGPT Search」始動!機能・活用法→
今回の発表
1.すべてのログイン済みの無料ユーザーが世界中で利用できるように
2.モバイルでの速度とパフォーマンスが向上
3.新しいマップエクスペリエンスが追加
4.「Advanced Voice Mode」が統合、ChatGPTに話しながら検索
全ユーザーに開放されたChatGPT Search
「ChatGPT Search」は、OpenAIのChatGPTを活用した検索機能で、これまで有料ユーザーに限定されていた機能が無料ユーザーにも提供されることになりました。
これにより、世界中のビジネスパーソンや研究者、学生が手軽に高精度な情報にアクセスできる環境が整います。
モバイルでの速度とパフォーマンス向上
ChatGPT Searchは、モバイル環境における速度とパフォーマンスの大幅な向上が図られています。
スマートフォンやタブレットからのアクセスがさらに快適になり、外出先や会議中でもストレスなく利用できるようになりました。
新しいマップエクスペリエンスの追加
ChatGPT Searchには、新しいマップエクスペリエンスが統合されました。
検索結果に地図情報が加わることで、位置情報や店舗の詳細が一目で把握できるようになります。
「Advanced Voice Mode」の統合
新たに統合された「Advanced Voice Mode」により、音声入力を活用しながらChatGPT Searchを操作できます。
ユーザーはスマートフォンを通じて話しかけるだけで検索が完了し、自然な対話形式でのやり取りが可能です。
第九弾:開発者向け新APIと比較学習「Preference Fine-Tuning」
開発者向けに OpenAI o1、Realtime APIの改善、新しい微調整方法「Preference Fine-Tuning」などを発表。
動画では、意図的に誤った計算が含まれた申告書をAIに読み込ませ、その誤りを発見し修正できるかどうかを検証しています。
この実験では、AIが書類内の不整合や計算ミスを正確に指摘し、修正提案を行う様子が紹介されています。
特に申告書のような正確性が求められる書類において、AIの処理能力と精度の高さが実証され、業務の効率化や人的ミスの削減に貢献する可能性が示されています。
この機能は、税務処理や会計分野での活用が期待されています。
複雑なタスクを高度に処理する新しいAIモデル
OpenAI o1は、OpenAIが新たに提供する最新の推論モデルで、複雑な多段階タスクを高い精度で処理するために設計されました。
現在ティア5($1,000/月)の有料ユーザーがAPIを通じて利用可能。
このモデルは、OpenAI o1-previewの後継として登場し、リアルタイムでの出力精度が高く、より高度な機能と性能を提供します。
リアルタイムAPIで実現する高度なAIアプリケーション
リアルタイムAPIの更新は、開発者にとって大きなメリットとなります。
特にWebRTCのサポートが追加されたことで、動画や音声のストリーミングを必要とするアプリケーション開発において、AIを活用したリアルタイムな応答が可能になります。
「Preference Fine-Tuning」でAIをカスタマイズ
「Preference Fine-Tuning」は、OpenAIが新たに提供する微調整手法で、ユーザーの好みにより精度よくモデルをカスタマイズできる点が特徴です。
GoとJavaでAI開発を加速:多様な開発環境に対応
開発者向けには、GoとJava用の新しいSDKが提供され、これによりAIの実装がさらに簡単になりました。これまでPythonに依存していた部分が、より多くの言語で対応可能となり、システム間での連携がスムーズになります。
簡素化されたログインとサインアップフロー
OpenAIは、開発者向けのサービスへのアクセスを簡素化するため、ログインとサインアップフローを改善しました。この改善により、開発者はより迅速にツールやAPIを利用でき、時間を無駄にすることなくプロジェクトに集中できます。新しいユーザー向けにも、簡便にAPIを試すことができるようになり、開発環境の立ち上げが迅速に行えます。
- 関数呼び出し
o1 を外部データや API にシームレスに接続します。 - 構造化された出力
カスタム JSON スキーマに確実に準拠した応答を生成します。 - 開発者メッセージ
トーン、スタイル、その他の動作ガイダンスの定義など、モデルが従うべき指示またはコンテキストを指定します。 - 視覚機能
画像を推論することで、視覚的な入力が重要となる科学、製造、コーディングの分野でさらに多くのアプリケーションを活用できるようになります。 - レイテンシの低減
o1 は、特定のリクエストに対して、o1-preview よりも平均で 60% 少ない推論トークンを使用します。
新しい ` reasoning_effort ` API パラメータを使用すると、モデルが回答する前に考える時間を制御できます。
開発者コミュニティが活性化!OpenAI AMAで最新情報をゲット
OpenAIは、開発者と直接対話する機会として、AMA(Ask Me Anything)セッションを予定しています。
このイベントでは、OpenAIのエンジニアと実際にやり取りができ、開発者が抱える技術的な疑問や課題に対する具体的な解決策を得ることができます。
このようなイベントは、開発者は最新のツールや機能をどのように活用するかを学び、AI技術をより効率的に組み込んだシステム開発を進めるためのインサイトを得ることができます。
このような対話の場は、特に実際のプロジェクトにAIを導入する際のノウハウを深めるために非常に有益です。
第十弾:電話通話でChatGPTが使える時代へ
電話やWhatsAppを通じてChatGPTにアクセスできるようになりました。
1-800-CHATGPT
OpenAIは「12 Days of OpenAI」の第10弾として、「1-800-CHATGPT」を発表。
ユーザーは「電話」や「WhatsApp」を通じてChatGPTにアクセスできるようになりました。
この新機能は、AIとの対話をより身近で手軽なものにすることを目的としています。
米国内のユーザーは、「1-800-CHATGPT」(1-800-242-8478)に電話をかけることで、直接ChatGPTと会話できます。カナダからの通話も可能に。
最初の15分間は無料で利用可能で、スマートフォンだけでなく、従来の固定電話からもアクセスできます。
例えば、運転中に気になる建物を見つけた際、その特徴を伝えることで、ChatGPTから詳細情報を得ることができます。
さらに、WhatsAppを利用することで、世界中のユーザーがChatGPTにメッセージを送信できます。
例えば、料理中にレシピの相談をしたり、特定の食材に合わせたメニュー提案を受けたりすることが可能です。日常生活のさまざまなシーンでAIを活用できるようになります。
これらの新しいアクセス方法は、AIとのインタラクションのハードルを下げ、より多くのユーザーが日常的にAIを活用できる環境を提供します。
特別なデバイスやアプリのインストールが不要で、既存のコミュニケーション手段を通じて利用できるため、技術に詳しくないユーザーでも簡単に利用を開始できます。
今後、これらの機能はさらに拡張され、画像を用いた問い合わせや最新のWeb情報を反映した回答など、より高度な機能が追加されることが期待されています。
第十一弾:「Work with Apps」AIアシスタントとのシームレスな連携
macOS向け「Work with Apps」がChatGPTを他のアプリケーションと連携させ、作業の自動化や効率化を支援。音声モードにも対応。
関連記事:PCアプリ連携!ChatGPTから操作できる「Work with Apps」→
「Work with Apps」とは?他のアプリと連携して作業をサポート
「Work with Apps」は、ChatGPTデスクトップアプリが他のアプリケーションと直接連携し、ユーザーの作業をサポートしるエージェント的な機能。
コードエディタやメモアプリなどのコンテンツをChatGPTが直接参照し、より的確な回答や提案を提供します。
例えば、コードエディタで開いているファイルの内容を基に、ChatGPTがコードの改善点を提案することが可能。
対応アプリケーション
- ターミナル
Terminal、iTerm、Warp - コードエディタ
Xcode、Visual Studio Code、JetBrains製品(IntelliJ IDEA、PyCharm、WebStormなど) - メモ・ドキュメント
Apple Notes、Notion、Quip
【実用例】「Work with Apps」でできること
コード作成が劇的に変わる!ChatGPTがあなたのコーディングをアシスト
例えば、Visual Studio Codeでコードを書いている際に、「Work with Apps」を利用すると、現在編集中のコードをChatGPTが直接参照し、リアルタイムでバグの指摘や最適化の提案を行います。
これにより、開発者はコーディング中に即座にフィードバックを得ることができ、デバッグやコードレビューの時間を短縮できます。
ドキュメント作成も楽々!ChatGPTが文章作成をサポート
Notionでプロジェクトのドキュメントを作成している場合、ChatGPTが文書の内容を読み取り、構成の改善や内容の充実に関する提案を行います。
例えば、報告書の要約やプレゼンテーション資料のポイント整理など、文章作成の質と効率を向上させることが可能です。
ターミナル操作も効率化!ChatGPTがコマンドラインをサポート
Warpなどのターミナルアプリと連携することで、ChatGPTがコマンドラインの履歴や出力を分析し、次に実行すべきコマンドの提案やエラーメッセージの解釈をサポートします。
これにより、システム管理者や開発者は効率的にターミナル操作を行うことができます。
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最後に
この記事では、【12 Days of OpenAI】OpenAIが平日12日間にわたって新技術発表の後半をまとめてさせていただきました。
第8弾として発表されたChatGPT Searchは、無料ユーザーへの開放、モバイル最適化、新しいマップ機能、音声統合といった多くの新機能を搭載し、検索体験を次のレベルへ引き上げました。
業務効率の向上はもちろん、日常的な検索にも革新をもたらすこの新機能を、ぜひ活用してみてください。
第9弾で発表された新しいツールやAPIは、開発者にとって非常に有益なものばかりです。推論モデル「o1」のAPI公開や、リアルタイムAPIの進化、さらには「Preference Fine-Tuning」によるカスタマイズ機能など、AI技術の進化がさらに加速し、開発の現場での活用がますます広がることでしょう。