2023年のAIの進化はすさまじく。
動画や音楽、果ては日本語の歌唱までを網羅するようになってきています。
我々現代人は技術力の高い仕事に関してはまだAIがその領域に到達しないだろうと思いながら生活をしていた節がありますが、結構な分野でその常識が覆されようとしています。
そして「思ったより進化が早い」AIたちは、早々に我々のやることを奪っていくかもしれません。
こちらの記事では我々はいますぐAIを使うべきという論に始まり、いずれ人間の知能が低下する可能性について、まとめていきます。
インターネットの海のよもやま話としてお楽しみください。
何故AIを使うべきなのか
なぜAIを使うべきなのか? それは「伝える力」を鍛えるためにほかなりません。
現在の生成AIはプロンプトをうまく入力するほど、此方の望んだ会頭が出力されて安くなっています。
ここで重要なのは「自分は何を望んでいるのか?」という内容です。
これは、間柄問わずありがちな問題ですが、人にものを頼んだり伝えたりする時に実はほとんど中身についての言及がないことがあります。
こういったものを作りたい、あるいはこういった情報が欲しいという目的が本来あるはずですが、その目的をうまくアウトプットできないのが故にその後の流れが滞ってしまうことが起こります。
しかし、AIを相手にするとどうでしょうか。
AIは急速に進化はしているものの、別にこちらの表情を見ているわけではありませんし、感情の機微もそこまで伝わりません。
つまり、生成AIに関しては「望む事」をこちらから明確に意図をもって伝える必要があり「汲み取ってもらう事」はできないのです。
目的もゴールもあやふやで中途半端なプロンプト入力では望んだもの解答されることがほぼないでしょう。
「目的の明確化」が、まず我々人間側が取るべき訓練体制なのです。
なぜなら、最終的な意思決定者が他でもない人間ですから。
さらにAIは現在日本語の「あれ」「それ」といった語句を完全に読み取ることができません。
その為我々は、普段あまり使っていない「話の対象がなんであるか」ということに気を配ることになります。
そういった「明確な指示」を我々はこれから訓練していく必要があります。そしてその需要が高まります。
そういったことができる人間は、まだまだ市場価値があると言えそうです。
結果をすぐに知ることができるので打ち返しの練習に使える
AIは結果をすぐに打ち返してくれるので、物事の思考プロセスの模索に使えます。
インターネットが発達するときに多く言われていたのが「調べて情報が出てくるようになれば、人間は知識をストックする必要がなくなる」という内容でした。
しかし、実態はどうでしょうか?
インターネットを使いこなせる人は、より多くの知識を頭に入れるようになり、逆にツール発達によって怠惰性を身に着けた人との知識差は開く一方です。
当然より知識を求める人たちは、さらに調べる精度が高くなり、情報の審美眼も発達します。
つまり、便利なツールが増えたからといって、実力差が縮まるわけではなく、使いこなす人と逃げる人では総合力に開きが出る一方というのがインターネットが引き起こした格差でした。
いつまでも生成AIに対して「やらない」「触らない」という理由付けでは、子供が「数学なんて将来何の役に立つの?」と仕事を放棄するようなものです。
「なぜあの時やらなかったのか?」を後悔する時期は、もう来ないかもしれません。
どのようなことに取り入れられるかを知る為にも、打ち返しから活用していった方が良いと考えられます。
「AIによって仕事を奪われる」はもう始まっている
ここからはネガティブな話題です。例えば上司の作業速度が2倍になったら、あなたは職場に残れますか?
今、AIを使いこなしている人たちは「自分の職種にどう活用すべきか」あるいは「どうしたらAIを活用して職能を増やせるか」というところに悩んでいます。そしてドンドン工夫をして自分の仕事のクオリティアップに努めています。
するとどうでしょう、以前は部下に渡していた仕事も、上司一人で回せるようになるのです。なぜなら以前そのポジションにいた上司の方がその仕事をするための練度が高いからです。
そうこうしているうちに部下の仕事は減っていきます。
そして残るのは、AIを使いこなし生産性を突き詰めた人物か、AIに決定できないことを決めることができる人物ということになっていきます。
そしていずれピーターの法則も消えるでしょう。
通常組織というのは「有能な人間は実力の発揮できない限界まで昇進し、残ったチームは以前より弱体化、結果組織は全ての階層で弱体化する」というピーターの法則という問題を抱えています。
しかし、そもそも部下の任数が絞られていき、それらを管理するという行程がなくってしまえば、上司はいつまでもプレイヤーとしての仕事を維持したまま生産を高められるので、チームとしてのパフォーマンスは変わらず維持し続けることができます。
人類の知能平均は低下する?
上までの利便性を生かした生産性の向上の内容と真逆のことを書きますが、このあとは全体的に我々の知能が低下していくフェイズが来るのではないかと考えています。
例えば現在の生成AIはどんどん精度が上がってきており、一般的には合格点に非常に近い解答を得られるようになりました。
テキスト、絵、音楽、アニメーション、テストなどいずれどんどんとこの精度は上がっていきます。
技術が成熟する前は、AIをより賢く扱える人たちが生き残り、その良し悪しをチェックしていましたがこれらの工程が進むといずれ誰でもほぼ同じ高クオリティの物が出力できるようになります。
こうなった時に、少なからず生き残っていた業界トップの才能も、さらにその数を減らすことになるでしょう。
ではそのあとはどうなるのか?
AIも過去には既存の物を学習するしか手段がありませんでしたが、23年12月には自主学習も試験的にできるようになったことが報告されています。
つまり、AIが自身の性能を上げるための学習基盤を作れるようになったのです。
これで、経験と認識向上に人間すら要らない分野が出てくるかもしれません。
分野的なトップが駆逐され、その分野の研究をしなくなった我々に待っているのは恐らく知能の低下でしょう。
便利になればなるほど、楽になればなるほど、その傾向は顕著になります。
AIがトップ層を食い、いずれその分野で人間が取れる強みが亡くなっていき、その分野を理解する人が消え、そして人間が消えていく。
そして分野知識が失われる。
そこかしこでそんなことが起こるかもしれません。
産業的な予想では2032年までの成長予測はすでに発表されました。
一方シンギュラリティは2025年とも2026年とも言われています。
思ったよりAIの成長は爆発的です。我々はどこに存在価値を見出せるのか、あるいはもう何もしなくていいのか、そんな分水嶺に立っているのかもしれません。
結局最後までついていけるのは、新しい技術に最初の波で乗っかれた人ということです。