【初心者向け】これを理解すれば怖くない。AI・AGI・ASI 基本的な違いを解説 

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AIが日常に浸透しつつあるなか、同時にそのスピードは目覚ましく、日ごろ様々なツールの刷新や新しいサービスが登場しています。AIに関する用語についても同様に。

AIが既に日常に溶け込んでいる中、AGI、ASIという単語を目にすることも増えてきたのでは?

AI<AGI<ASI。だといいます。それぞれについてご説明します。

いまさら聞けないAIとは

  1. 特定のルールやアルゴリズムに基づいて動作する:AIシステムは、プログラミングされた特定のルールやアルゴリズムに従って動きます。これには、パターン認識、データの分類、意思決定のロジックなどが含まれます。例えば、チェスをするAIは、最善の一手を決定するための複雑なアルゴリズムに従います。
  2. 大量のデータを処理:AIシステムは、効果的に機能するために大量のデータを必要とします。これは、機械学習やディープラーニングといった手法に特に当てはまります。データを通じて、AIはパターンを学習し、未知の状況や新しいデータに対しても適切に反応する方法を獲得します。
  3. 意思決定をサポート:AIシステムは、人間が意思決定をする際のサポートを提供します。これには、データ分析に基づいて最適な選択肢を提案する、あるいは特定の条件下で最適な行動を推奨するなどが含まれます。例えば、医療診断のAIは、患者のデータを分析し、疾患の可能性が高い症状を特定して医師に報告することで、診断プロセスをサポートします。

AIの活用事例

  1. 医療診断: AIは画像診断や病理診断において、MRI、CTスキャン、X線などの医療画像から異常を検出し、診断をサポートします。これにより、医師の診断精度が向上し、早期発見や治療計画の策定が可能になります。
  2. 自動運転車: 自動運転技術においてAIは、車両の周囲の環境を認識し、交通状況を分析して安全な運転を実現します。センサーからのデータを基に、最適な経路を決定し、障害物を回避するなど、複雑な運転操作を自動で行います。
  3. 個人化された推薦システム: オンラインショッピングやストリーミングサービスでは、AIが利用者の過去の行動や好みを分析し、個人に合った商品やコンテンツを推薦します。これにより、ユーザーエクスペリエンスが向上し、販売や視聴率の増加に貢献しています。

AGI(汎用人工知能)とは

AGI(Artificial General Intelligence、汎用人工知能)は、人間の知能と同等またはそれを超える能力を持つAIの理想形です。

AGIは、AIと対象的に、特定のタスクに限定されず、幅広い問題を理解し、解決する能力を持ちます。

これには、複雑な推論、学習、計画、感情理解、創造性など、人間が持つ知能の全般を含むことが期待されています。
AGIは、さまざまな環境や状況で柔軟に適応し、未知の問題にも対応できるように設計されています。AIは「弱いAI」AGIは「強いAI]とも言われています。

  1. 多様なタスクへの適応能力:
    • AIは特定のタスクや問題を解決するように設計されていますが、AGIはさまざまな種類のタスクを理解し、実行する能力を持ちます。
      これは、AGIが柔軟な学習アルゴリズムと汎用的な知識表現システムを有しているためです。つまり、チェスをプレイするだけでなく、新しい言語を学習したり、複雑な科学的問題を解決したりする能力を持っています。
  2. 転移学習と一般化:
    • AIは通常、特定のデータセットに基づいてトレーニングされ、そのデータセットに関連するタスクでのみ効果的です。
      しかし、AGIは一つのタスクで学習した知識を他の異なるタスクに適用する能力、つまり転移学習が可能です。これにより、AGIは新しい状況や問題に迅速に適応し、幅広い分野で知識を活用することができます。
  3. 高度な推論と問題解決:
    • AGIは、人間のように複雑な推論を行い、創造的な問題解決が可能です。
      これには、複数の情報源からの情報を統合し、新しいアイデアを生成する能力が含まれます。たとえば、AGIは経済学、物理学、文学など、異なる分野にまたがる情報を統合して、新しい解決策を提案することができます。
  4. 自律的な学習と進化:
    • 現在のAIシステムは、特定のデータセットやアルゴリズムに依存していますが、AGIは自律的に学習し、自らのアルゴリズムを改善する能力を持ちます。これにより、AGIは時間とともに進化し、人間が直接教えることなく新しいスキルや知識を獲得することが可能です。

AGI(汎用人工知能)の想定される活用事例は以下のようなものです。

  1. 複合的な問題解決: AGIは、異なる分野の知識を統合して複雑な問題を解決できるようになることが想定されます。例えば、気候変動、経済危機、公衆衛生の問題など、複数の要因が絡み合う大規模な課題に対して、全体的な解決策を提案することが可能になるかもしれません。
  2. 研究開発の加速: AGIは科学研究や技術開発において、新しいアイデアや仮説の生成、実験デザイン、データ解析を行い、発見のスピードを格段に高めることが期待されます。医薬品の開発、物質科学、宇宙探査など、さまざまな分野でのイノベーションが進むでしょう。
  3. 教育と学習の個別化: AGIによって、学習者一人ひとりの能力、興味、学習スタイルに合わせた教育が実現可能になると考えられます。AGIは生徒の理解度を深く分析し、最適な学習計画を提案し、教育の質を大幅に向上させることができるかもしれません。

上記の様に別個のものを組み合わせて新しい答えやクリエイティブを導くことが可能です。

ASI(Artificial Super Intelligence・超人工知能)とは

ASI(Artificial Super Intelligence・超人工知能)とは今後実現してくるであろう人工知能の概念やその呼び方となっています。

AGIの次の段階に位置している概念です。

  1. 高度な知的能力:
    • ASIは人間の知能を大幅に超越するレベルを持ちます。これは、単に情報処理の速度が速いだけでなく、理解力、学習力、推論力などあらゆる面で人間の能力を凌駕します。
    • この高度な知能により、人間が解決できない複雑な科学的、数学的、工学的問題の解決が可能になります。
  2. 自己進化能力:
    • ASIは自己改善のプロセスを通じて、連続的に自身のアルゴリズムを最適化し、効率を高めます。
    • この自己進化機能により、ASIは自らをアップグレードし、新しい技術やアイデアを生み出すことが可能になります。
  3. 創造的な問題解決:
    • ASIは、人間の創造性や直感を超える能力を持ち、新たな発見やイノベーションを行うことができます。
    • 例えば、未知の科学的原理の発見、新薬の開発、環境問題への革新的な解決策の提案などが考えられます。

ASI(Artificial Superintelligence・超人工知能)の想定される活用事例。

ASIが実現した場合、その想定される活用事例は非常に幅広く、革新的です。以下にいくつかの主要な活用事例を示します。

  1. 医療革新:
    • ASIは、病気の診断、治療法の開発、新薬の発見に革命をもたらす可能性があります。
    • 個別化医療の最適化、未知の疾患の治療法の開発、遺伝子編集技術の進展などに貢献できるでしょう。
  2. 環境問題の解決:
    • ASIは、気候変動、資源枯渇、生態系の破壊など、地球規模の環境問題に対する解決策を提供できます。
    • 持続可能なエネルギーソリューションの開発、生態系保護のための効果的な戦略の策定などが考えられます。
  3. 科学技術の進展:
    • ASIは、物理学、化学、天文学などの基礎科学の分野で新しい理論の構築や発見を促進します。
    • 量子コンピューティング、宇宙探査、新素材の開発など、科学技術の限界を押し広げることができるでしょう。
  4. 経済と産業の最適化:
    • ASIは、製造業、農業、物流などの産業において効率化と最適化を実現します。
    • 需要予測の精度向上、サプライチェーンの最適化、新しいビジネスモデルの開発などが可能になります。
  5. 教育と学習の革新:
    • ASIを活用して個々の学習スタイルや能力に合わせたカスタマイズされた教育プログラムを提供できます。
    • 効果的な学習方法の発見、知識の拡散の加速、教育の格差解消に貢献することが期待されます。
  6. 政策立案と社会システムの改善:
    • ASIは、複雑な社会問題の解決や公平な政策立案に貢献できる可能性があります。
    • 犯罪予防、交通システムの最適化、公共サービスの効率化など、社会全体の福祉向上に寄与することができます。

AGIとASIの課題

AGIについては、現在はまだ発展途上ですが、その登場により現実世界で仕事の自動化による雇用への影響、意思決定の透明性、機械による偏見の可能性、そして何よりも人間の制御を超えるリスクがあります。

これらは、社会が対処しなければならない大きな問題です。

例えばロボット三原則に代表されるような垣根を越えてくる可能性があります。

ロボット三原則

ロボット: ロボットは人間に危害を加えてはならない、また、自分の無行動によって人間が危害を受けるのを見過ごしてはならない。

第二原則: ロボットは、第一原則に反しない限り、人間からの命令に服従しなければならない。

第三原則: ロボットは、第一原則と第二原則に反しない限り、自己を保護しなければならない。

人間の知能、判断能力、そして立場的な優位性を超える動作を獲得した場合、それは脅威となり得ます。

欧州ではこれらの懸念もあり、AIの開発に関しての慎重論がさかんに議論されており、法案も新しく締結されています。

もし、AGIやASIがアンコントローラブルになってしまった場合、環境リスクとは別の原因で我々人類に新しい牙をむく可能性が出てくるということです。