2024年3月にリリースされたMidjourneyの新機能「cref」。
キャラクターの特徴、特に顔を継承して同じキャラクターを生成することに特化した機能です。
この機能を使って、キャラクターを統制したクリエイティブ製作のハードルがかなり下がりましたが、今回はこの機能は2人の描画ではどの程度まで有効かを検証していきます。
2人以上のキャラクターでcrefを使う
crefはキャラクターの特徴を継承する機能なので、画面上に2人映っているとそれは不具合になるのでしょうか。
ちょっと実験してみましょう。
まず服と髪の毛の違うキャラクターを一画面に用意しました。
今回はこれを基礎にします。
次のプロンプトは下記です。わざとキャラクターの特徴を指定しません。
girls on the beach, --cref URL
つまり、女性が描かれていることと、ビーチに描画されることは指定しますが、他の要素はcrefのみにします。
う~ん。
髪型を見比べるとわかりやすいですが、混ざってきています。
また、赤髪のキャラクターは表情的にはハッキリしていましたが、二人が混ざってしまったのかなんとなく眠そうなキャラクターになってしまいました。
服もちぐはぐ入れ替わっています。
これを見ると、2人以上いると要素が混ざってしまうようです。
もう一つ難しい要素を足してみます。
girls on the beach, high angle --cref URL
「high angle」を足しました。
予想通り、混ざり方、不安定さが増してしまいましたね。
これはちょっと難しいかも。
今度は男女で用意してみましょう。
black hair man and red hair girl
単純な特徴のキャラクターを出します。
そして、また特徴を削って場面だけ飛ばしてみます。
on the beach, --cref URL
4枚目、完全に混ざっちゃいました。
やはり特徴それぞれに対して、指定が無いので継承しにくいのではないかということが考えられます。
2枚目喪服の色が入れ替わったり。それぞれ存在していなかった色合いの服装が出現していたりします。
今度は逆にヒントを与えてみましょう。
A black-haired man is posing in a black sweater and pants. A red-haired girl is standing holding a school bag. They are on the beach. --cref URL
それぞれのキャラクターの特徴を補足してビーチに立たせてみます。
完全な特徴の継承は無理でしたが、混ざることなく描画することができました。
これらの出力傾向からcrefはキャラクター特徴を読み取り、強調して対応するためのプロンプトなのではないかと推測することができます。
つまり、絶対同じものを出力するわけではありませんし、その時々によって特徴の内容を考えながら再構築しているというわけなのです。
この後複数の出力をしましたが、おおむね安定していました。
つまり、情報としてこの程度の文量をを補足してあげれば特徴はある程度継承できます。
ただし以下の点で注意が必要です。
- アクセサリーや袖などの細かい部分の生成は不安定
- 目の色などの指定がない場合変わる可能性が常にある
特に二人以上だと不安定になり、近い要素は混ざりやすくなります。
逆に、同一キャラクターの三面図などのURLをcrefにあてると資料が多く存在する為特徴が固定されやすくなります。
同一キャラクター出力を安定させるには、根気よく参照元となる画像を作成し、それらを複数指定。
そして、変更要素を事細かく書いてあげることがまだまだ必要だと言えるでしょう。