2023年の流行語大賞に生成AIが選ばれました。
ビジネスシーンや日常でも「AI」という言葉を特に2023年後半からは聞くようになり、そもそもAIとはどんなものなのかと思っている方も多くいらっしゃいます。
この文脈で騒がれている「AI」とはすなわち「生成AI」のことで、人間のように複雑な作業をすることができる、もしくはそれを目的としたAIです。
これ以前のAIは1つのジャンルに対して突き詰めた学習をしており、その結果が一般に周知されるだけでした。
例えば、2015年に流行したAlphaGo(アルファ碁)などが代表的です。このAlphaGo2015年にプロの棋士を破った後に中国の囲碁リーグから9段の称号をうけ、のちに囲碁界から引退すると伝えられました。
現在ではこういった一つの側面ではなく、対話をするように指示を聞いてもらったり仕事をしてもらうことができるAIが市場に登場しています。
しかも無料で触れるものも多数あります。
こちらの記事ではそういった、生成AIの基本のキについてご紹介していきます。
生成AIとは? 何ができる?
生成AIとは、簡単に言うと、コンピューターが人間のように考えて、文章や画像などを自動で作り出す技術のことです。例えば文章生成のAIにあなたの悩みを投げかければ、学習に応じて答えを紡ぎだしてくれます。
他にも「宇宙についての面白い話を教えて」とAIに頼むと、AIはいろいろな宇宙に関する情報をもとに、簡単な話をしてくれます。
また、画像生成のAIにあなたが「かわいい猫の絵」と頼むと、AIは猫の絵を自動で描いてくれます。
これらの技術がすごいのは、AIがたくさんの本やインターネットの情報を読み込み、人間の言葉を学び、あらゆる物事に精通しているからです。
これらの学習を多くしたり、時にはジャンルを絞って深堀することで人間が話すような自然な文章を作ったり、美しい絵を描いたりできるようになっています。
しかし、AIはまだ完璧ではありません。
間違った情報を学んでしまっていることや、人間のように感情を持っているわけではないので、感情が込められた文章や絵を完全に理解するのは難しいとされています。
ですから、AIが作ったものも常に正しいわけでもなく、さらに改善が可能だということを念頭に使うようにしてください。
よく話題になる生成AI
こちらのセクションでは、話題に上がりやすいAIをジャンル別に紹介していきます。
- 画像生成AI
- Stable Diffusion: 文章を入力すると、人物や動物や背景などさまざまなものを生成。開発基盤としているAIも多く、画像AIの大本的存在。最近のアップデートでは、よりリアルな画像生成や高度なカスタマイズが可能に。ダウンロード版だけでなく、様々なプラットフォームでの使用が広がっています。
- Midjourney: 日本語対応の「にじジャーニー」が提供され、アニメスタイルの画像生成にも対応しています。特にファンタジーやアート的な画像生成に優れ、アップデートを通じて高品質な画像生成がますます進化しています。
- DALL-E3: 最新版は、短い文章からでも精度の高い画像を生成でき、ChatGPT-4に標準搭載されています。独自の画風でクリエイティブな画像が作り出せ、特に洋風なテイストが得意とされています。
- 文章生成AI
- 動画生成AI
- Runway Gen-3 Alpha Turbo: テキストと画像から動画を生成できる。映像制作業界で注目されており、商用利用も可能。特にシネマティックなクオリティの映像を生成できる点が注目されています。カスタムモデルや高度なエフェクトが使用できるため、映像制作業界での利用が広がっています
- Vrew:簡単なテキスト入力で、画像や動画、ナレーションを自動生成可能。ビデオをアップロードするか、テキストを入力する形式で、特に動画編集が苦手なユーザー向けのツールとして人気があります。
- Synthesia: テキストベースでリアルなアバターが生成でき、ビデオプレゼンテーションに活用されています。さまざまな業界で、ビデオコンテンツ制作の手間を大幅に削減するツールとして注目されています。
- Fliki テキスト、ブログURL、パワーポイント、Xいずれかを流し込むだけでナレーション、BGMが付いた動画が完成。無料枠で制作可能は最大5分。(2023年12月現在)
- 音声生成AI
今回紹介しているものは生成AIでもほんの一部です。
例えば画像生成AIはStable diffusionを起点として数多くの派生(独自)サービスがあり、また得意ジャンルもそれぞれに進化しています。
もし、有料契約を考える場合でも同一ジャンルのサービスを比較することは非常に重要です。
主な生成AIの種類と特徴
ビジネスの世界では、生成AI技術が様々な形で活用されはじめています。
そんな生成AIの種類とそれぞれの特徴についてご紹介します。
- テキスト生成AI:これは、文章を自動で生成するAIです。例えば、ニュース記事の作成や、ユーザーの質問に対する回答の提供などが可能です。ビジネスでは、レポートの作成補助やカスタマーサポートで使われることや、さらに
- 画像生成AI:このAIは、指定された説明に基づいて画像を生成します。例えば、「青い空と海の風景」などと指示すると、その説明に合った画像を作り出すことができます。広告やプレゼンテーション資料の作成に役立てることができます。画像生成分野は連動して動画生成AIとも関連のあるものが多くあります。
- 音声合成AI:音声合成AIは、テキストから人間の声に似た音声を生成します。これにより、音声ガイドや自動応答システムなどに活用できます。
これらのAIは、日々進化しており、さらに多様な機能が開発されています。しかし、AIが完璧ではないことに注意が必要です。特に、AIが生成する内容は、時に誤った情報や偏った見解を反映することがありますので、ビジネスで利用する際には、人間のチェックが欠かせません。
AIをビジネスに取り入れることは、作業の効率化や新しいサービスの提供など、多くのメリットをもたらします。しかし、その特徴と限界を理解し、適切に活用することが重要です。
生成AIのリスクと注意点
最後に生成AI使う上で、この「2つの面は安全ではない」という話をします。
まず1つはデータを生成AIに送信することで、その情報がAI側で保存される可能性があるという点です。
これは、ユーザーが提供した情報や質問が、AIの学習データベースに蓄積され、将来的にAIの回答生成に影響を与える可能性があることを意味します。
つまり、社内の機密情報やクライアントの機密情報を交えた質問などは、そもそも送信してはいけないということです。
入力をする際は架空のA社としての名前入力や、架空の案件として必要な答えに関係のなさそうなところは別の情報で相談するなどをする必要があるでしょう。
さらに、AI技術には「ハルシネーション」と呼ばれる現象が存在します。
これは、AIが実際には存在しない情報や事実を生成してしまうことを指し、データの正確性に疑問が生じる原因となります。「それっぽい嘘の情報」と覚えてください。
AIはデータを基に学習するため、不正確なデータや偏った情報が含まれていると、そのような情報を反映した回答を生成してしまう可能性があります。
さらに、現在は嘘の情報を使って作られたコンテンツなども存在する為、嘘比率が高い検索結果なども存在しています。
結果的にそれらはAIにも反映されている可能性がある為「それっぽい嘘の情報」が発生しやすくなるというわけです。
まとめ
生成AIは非常に強力なツールで、文章や画像、動画、音声の生成を自動化し、ビジネスの効率化や新しいサービスの創出に貢献しています。しかし、データの扱いには十分な注意が必要であり、ユーザーがAIに提供する情報は、可能な限り正確であることが求められ、AIが生成する情報を鵜呑みにせず、批判的な見方を持つことが重要です。
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